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眠りのメカニズム

眠りのメカニズム

24時間営業のコンビニエンスストアの増加は、それだけ夜中に利用する 人が多いことを示す一方、インターネットの普及で昼夜なく情報が世界中を飛び交い、マーケットも時間を超え国境を超えてグローバル化を加速 させています。このように、かつてない社会の出現で現代人の生活リズムは乱れ、ストレスをかかえ、睡眠への影響は深刻です。 現代社会でより快適に眠るため、ここでは睡眠の基礎と環境を考えてみました。

 
 

睡眠とはなにか

『睡眠は、単なる活動停止の時間ではなく、高度の生理機能に支えられた積極的な適応行動であり、生体防衛技術です。とりわけ、発達した大脳をもつ高等動物にとっては、睡眠の適否が高次の情報処理能力を左右することになります。質の良い眠りをとらないかぎり、質の高い生活ができません。「よりよく生きる」ことは、とりもなおさず、「よりよく眠る」ことなのです』
(井上昌次郎東京医科歯科大学教授による)

1.人はなぜ眠るのか

動物実験では、断眠を続けると体調に何らかの異状をきたし、ついには死亡してしまいます。また、人の断眠実験では断眠時間に長短の差はあるものの、いずれは眠ってしまうことを見ても、人にとって睡眠は生きるために必要不可欠のものであることがわかります。
先の井上教授によれば、人間は大脳に頼って生きており、その「大脳を創り、育て、守り、修復し、よりよく活動させること」が睡眠の役割で、しかも睡眠不足に最も弱いのが大脳であるそうです。

2.レム睡眠とノンレム睡眠

眠りは2種類の異なる性質から成り立っています。
 ● レム睡眠 ~Rapid Eye Movement - 急速眼球運動を伴う眠り~
眠っていても目玉が動き、脳は覚醒に近い浅い眠り。
 ● ノンレム睡眠 ~Non REM - レム睡眠でない眠り~
ぐっすりと熟睡した状態の眠り。(ノンレム睡眠は、睡眠の深さによってさらに4段階に分けられます)
一般には、入眠するとすぐにノンレム睡眠に入り、睡眠ステージ・、次いで・の段階に達します。これは、睡眠が脳を休息させていると考えられます。このとき体温は下がり、体内の熱を出すため、体表面は温度が上がって発汗作用が活発になります。この入眠時の段階をスムーズにさせることが、翌日の目覚め感に影響します。このときの脳波は波型がゆるやかなδ波が主です。また、脳が休息しているので揺り起こしても容易には起きません。深い眠りといわれるゆえんです。
レム睡眠のときに体温は上昇し、眼球も運動していますが、筋肉の緊張は解け、だらりとした状態になります。脳波はθ波が主で、体のほうは休息しており、浅い眠りといわれるゆえんです。また、時間が経つにつれノンレム睡眠の段階は少なくなり、レム睡眠の割合が多くなってきます。

睡眠の周期

睡眠の周期
図のように、ノンレム睡眠を経てレム睡眠に入るまでを「睡眠単位」と呼び、およそ90分かかります。成人の場合、一晩に8時間眠る人は睡眠単位を5回、6時間ならば4回繰り返しているわけです。その際、レム睡眠が終わるごと、即ち90分ごとに目覚めやすくなります。

3.体内時計

体内時計
人間の1日の体内時計は25時間周期です。
地球の自転周期に合わせた社会生活のリズムは24時間、そのため約1時間のずれを生活のなかで修正しています。人間に時計を持たせないで、窓のない建物のなかで生活させると、通常1時間ずつ後ろにずれ、しだいに入眠時間が遅くなり、朝起きる時間も遅くなることになります。
この体内時計のリズムが大きく乱れると「時差ボケ」の障害が起こります。
体温も1日を単位にした周期があり、日中は体温が高く、夜には下がるというリズムです。
レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返される理由は、深い睡眠は体温が下がった状態で得られるのではなく、体温が下がっていく過程で得られることから、睡眠の途中にレム睡眠を入れて体温を上げ、ノンレム睡眠のときに体温を下げるというリズムによって深い眠りを得ようとしているのです。
このようにすると、睡眠中に何回も発汗作用が起こるようになり、睡眠中の発汗が大切だということがわかります。目覚めるときに長いレム睡眠から起きると、体温は上昇していますから目覚め感は良好です。ノンレム睡眠のときに無理やり起こされると、目覚め感は良くありません。したがって睡眠の質には、スムーズな入眠と、起きるタイミングとが大きく関ってくるのです。

4.睡眠時間

睡眠時間については、6時間以下の人を短眠者、9時間以上の人を長眠者として分けています。大部分の人はその間に入りますが、睡眠時間の長短と睡眠の質とは直接関係はないと考えられています。長く眠るから良い睡眠、短時間の眠りだから悪い睡眠とはいえません。目覚め感の良い睡眠は、ノンレム睡眠で十分に大脳の疲れをとり、レム睡眠で肉体の疲労をとることによって得られます。
年齢によって睡眠時間は変化します。赤ちゃんのときは16時間程度ですが、成長するにつれ短くなり、成人では7~8時間前後、老人になると6時間前後になります。なお、日本人の成人の睡眠時間は、現在のところ少しずつ短くなる傾向にあります。

5.睡眠効果

中途の目覚めは睡眠の効率に影響します。睡眠効率とは、床に入っている時間に対して実際に眠っている時間の割合のことで、中途覚醒があると睡眠効率は悪くなります。また、年をとると、一般に睡眠効率は悪くなる傾向があります。
中途覚醒を起こす原因には、生理的、心理的な内因と、睡眠環境による外因とがあります。これらの原因をできるだけ取り除くことが、睡眠効率を良くする結果につながります。

6.内分泌

入眠時の最初のノンレム睡眠のとき、成長ホルモンが大量に分泌されます。この成長ホルモンは細胞の成長と修復、および活性化に役立つとされています。睡眠と強く関係しているホルモンとしては、プロラクチン、甲状腺ホルモン、メラトニンなどがあります。これらのホルモンは睡眠中にも多く分泌されることから、体の機能は巧みに活動していることが分かります。
※眠りのメカニズム参考文献 「睡眠の不思議」井上昌次郎 講談社現代新書